ものづくりの原点である工場は、社員の原点にもなっています。

専務取締役 増永 泰典

めがねづくり全体を理解することで、
各工程に携わる醍醐味が生まれます。

増永眼鏡では、工場を、商品づくりの根幹としてとらえています。だからこそ、入社直後は、将来的にどんな部署へ配属されるとしても、必ずまず工場で働くことになっています。私たちの工場には200を数える工程があり、担当する作業は毎日変わります。一部分だけではなく多様な工程に携わることで得られるのは、トータルな知識と技術です。完成形を想像しながら、めがねづくりに取り組めます。全工程を把握したうえでひとつの工程に取り組むことには、大きな意味があります。全ての工程は繋がり合っているので、全体を理解して初めてそれぞれの工程が存在する意義や、携わる醍醐味も見えてくるのです。

私も入社後は、一ヶ月間、工場研修をしました。その後、設計、プレス、組み立て、研磨、仕上げなど全工程を学びました。これら全ての流れを身に付けた上で、今、デザインや営業なども行っています。めがねづくりの全工程を熟知した上で、何かひとつの役割を探求できるのは、メーカーの強みであり、責任であり、楽しみなのです。

各部門・個人に仕事を偏らせないことで、
生産性と品質が上がっています。

質の高いめがねを、みんなでつくりあげる。それを実現するのは、簡単ではありません。仕事の内容には、単純な工程もあれば、手間のかかる工程もあります。何も考えずに取り掛かれば、どこかでスムーズに流れない箇所が発生するでしょう。私たちは、常に好循環が生まれるように、仕事の平準化を図っています。全ての社員が全工程をまかなえるようにすることで、各部門・各個人に仕事が集中しないようにしています。また、特定の技術を持った社員が、その仕事に注力できるよう調整しています。

仕事の平準化による成果は、残業の削減だけでなく、面白いことに全体の生産性向上にもつながりました。今後は、さらに心に余裕を持って働ける環境を作っていきたいと思います。

時代に対応しながら、時代に流されない。
先人の考えをベースに独自のものづくりをしています。

私たちは時代に合わせ柔軟な取り組みを行っていますが、全ては1905年から続く歴史の上に成り立っています。先人から受け継いでいる「良いものをつくることが至上」という、ものづくりへの考え方は、時代を超えて今もなお指針として生き、導いてくれています。

例えば、こんなことがありました。業界全体でメタルフレームが主流になり、プラスチックフレームの売上げがグンと落ちたのです。多くの会社が製造を取りやめるなか、当社内でも生産を止めるべきという声が挙がりました。しかし、当時の社長であった増永悟(現会長)は、当然のことのように生産続行を判断したのです。時代はめぐり、再びプラスチックフレームの人気が出てきた時、他社には残っていない技術が私たちの手にはありました。

設備環境づくりにおいても、独自の考え方が生きています。自動化が進む今、多工程を誰でもボタンひとつで行えるコンピュータ制御の加工機械が、多くの会社で導入されています。しかし、私たちは安易な導入を選択しません。生産性は向上したとしても、他社と同じ商品しか生み出せなくなると考えるからです。私たちは逆に、特定の工程に特化した機械を多数導入しています。全ての工程に携われる人間が、特定の工程の品質を向上するために機械を使うことで、私たちだけの商品が生まれると信じています。

常に開発・探求し続けることが、
変わらないブランドを守り続けることになります。

伝統を守りながらも、私たちは新しいものを求め、研究開発を続けています。最近では、商品化に2年以上かけたものもありました。社員を含めた様々な人からアイデアを吸い上げ、かたちにしていきます。大事なのは、今の世の中だけを見つめずに、次を見つめることです。時代に対して早すぎず遅すぎないタイミングで、商品を生み出すことです。

もし、新しいものへの探求を止めたらどうなるか。現状維持? いいえ。ブランドが終わります。デザインや機能など、新しいものを出し続けていくことでのみブランドは存在し続けることができると、私たちは考えます。変わらないブランドの価値を守りながら、その中で次々と進化した商品を提示することが重要です。今後も、私たちらしくて新しいものをどうやって出していくか。働くみんながやりたいことをやれる環境を、いかにつくり出していくか。あなたと一緒に増永眼鏡というチーム全員で、取り組んでいきたいと思っています。